読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

カイゼン生活

小さなイラっをカイゼンすれば日々是好日。

電動シフトギヤ(SHIMANO Dura-Ace Di2)

 サーベロP3カーボンを中級版TTクライマー仕様にコンポーネント変更。

 

 

 ハンドルは軽量な3T社製のBREZZA TEAM(630g)とARX TEAMステムの組み合わせ。

 ハンドルは肘パッドの位置が調整できないのだが、ステムを70mmのショートタイプにすることで対処。このステムは-17度という角度がチョイスできる。-17度はステムが地面に対してほぼ水平になる角度で、エアロハンドルとの相性がいい。

 

 

 このハンドルのバーはSベントとストレートの形状、および、アルミかカーボンの材質からチョイスできる。男は黙ってストレート、といきたいところだったが、中級版なのでSベントのアルミをチョイス。全体の仕上がりからすると、この弱気は画竜点睛を欠く選択であった。やはり男は黙ってストレート、にすべきであった。

 このDHバーの先端につくのが電動ギヤ(シマノ社製Di2)のボタン。右側がリヤメカ、左側がフロントメカを制御する。

 

 

 TTクライマー中級版のミソは、やはりシマノ社製となるブレーキレバーだ。このブレーキレバーはデュラエースの銘が打たれているが、なんと変速ボタンがついている。右側がリヤメカ、左側がフロントメカを制御。

 つまりDHポジションでも、ブルホーンを握ったヒルクライムポジションでも変速が可能。これは機械式では実現不可能だった、TTクライマーにとっては夢の構成である。

 

 

 平地を40km、箱根40kmを走ってみたが、とにかく感じたのは「秀逸」ということ。電動というと、バッテリー管理や機器の不調などでかえって不便なんじゃないかとタカをくくっていたのだが、世界のシマノが開発に10年近くをかけたというだけあって、これまでの先入観は杞憂だと実感した。

 電動なので当然ながらワイヤーの伸びはないので、つねに完璧なシフトチェンジが可能。整備不良でギヤの不調が常態化していた僕にとっては、無音で滑るように回転するスプロケットは、それだけで集中力の持続につながるのだと知る。聞こえるのはタイヤの接地音と風の音だけ。

 この完璧なシフトチェンジを制御するのが写真のハンドル下に見える四角いコントロールユニット。

 

 

 バッテリー残量警告インジケーターと、シフト位置調整のまるいボタンがついている。シフト調整はクランクをまわしながらボタンを長押しすることで、内蔵コンピューターが自動で行なってくれる。自転車が勝手にギヤをローエンドからハイエンドまでかちゃかちゃと動かすのは不気味な光景であるが、これでロー端の位置とハイ端の位置を確認・記憶し、そのあと勝手にセンター(5段の位置)にかちゃかちゃと移動し、その位置を確認・記憶。以前はホイールを交換したときに生じるズレを調整するのが面倒くさかったが、Di2の自動調整システムを使えば、以上ですべてが完了する。

 気になるバッテリーの持続時間だが、もちろん乗り方で大きく変化するものなので単純には言えないが、目安として考えてもらえるなら、いわゆる通勤レベルでの走行なら毎日乗っても2ヶ月ぐらいは持つそうである。バッテリーは充電式。

 

 

 また、今回はリヤホイールに超ワイドリムのZIPP社製1080を導入。ディスクホイールに近いエアロ効果と視覚効果を実現しながら、山岳のコーナーリングや荒れた路面などにも追随してくれるので、中級TTクライマーにはうれしい製品である。が、タイヤには長さ15センチもの長〜いバルブが必要。

 

 

 平地では風切りの音に包まれ、コンセントレーションの極みのなかで、ストイックなDHポジションのままクリックひとつでギヤチェンジができることは、意識の切れ目がなく走りにすべてを注ぎ込むことを意味する。以前ならギヤチェンジするごとにいったんDHバーから手を離し、やや体を起こし、指先に力を入れなければならなかった。足の筋肉への神経がそがれる分、風の抵抗を感じ、ふっと息をつくような瞬間も、電動シフトの前では皆無だ。集中できる反面、逆にいえば休息のタイミングがとりにくく、筋肉への負荷が高い。平地走においては自分の状態を最適にコントロールする技術が必要だと思った。

 また、シフトチェンジするときに指先で感じるワイヤーを巻き上げる機械式独特のフィーリング、そんなものを愉しむといった要素は介在しない。ギヤチェンジが、パソコンのマウスを操作するような、まさに「クリック」という動作に単純化されている。

 そこにあるのは速く走るための効率だけであって、自転車の持つゆとりという愉しみは大きくそがれている。しかし、最新テクノロジーのTTバイクでヒルクライムを満喫するTTクライマーにとっては、そもそも発想自体にゆとりがありすぎるというか、間違っているので、このぐらいでちょうどいいともいえそうである。