単三乾電池で実働する魚探である。
しかもGPSつきである。
フィッシングカヤックに搭載できる魚探となると、もうほとんどこの機種の独壇場という感じなので今さらレポートをする必要もないのだが、簡単に私見を。
まず、魚探としてはほとんど使っておらず、もっぱらGPSプロッター画面にしている。
漁場は急深で(だから好漁場なのだが)、600mも沖に漕げば水深100mに達する。100mを越えると、ほぼ計測不能となる。濁りがひどいときは60m以上でアウト。
そうとう大きな魚群でもいれば、魚探が反応してから狙い打ちもできるのかもしれないが、現実、そうそう大きな魚群はなく、仕掛が届くころには魚もどこかへ移動。
漁船に積んである魚探とは違い、垂直探査しかできないので、どっちの方角に行ったかは分からない。だから追いかけることもできない。
そもそも根魚狙いなので、魚探に反応が出ることはまずない。
しかし意外だったのは、あまり期待していなかったGPS機能が大活躍。
まず艇を出したら、流される方向と速度を確認する。沖向きの強い流れがあるようなら、もう漕ぐのはやめてそのまま釣りに専念する。
釣りに夢中になって沖に流されすぎないよう、正確に速度と位置を確認する。
時速2kmを越える速度で流されるようなときは、面倒くさくても2〜300mごとに元の位置に漕ぎもどるようにして、だるさを感じたら無理せず帰港する。
つまり魚を探すための道具というより、遭難防止の道具になっている。
ただ、漁獲に貢献してくれているのも事実である。
釣れた場所を種類別にマークして保存できるので、魚種ごとの実績データが蓄積してくると貴重な傾向が見えてくる。
フィッシュアラーム機能は、魚群らしき反応があるときにアラームが鳴るというもの。
イカ釣りのときなど、途切れかけた集中力を魚群アラームが引きずり起こしてくれる。アオリイカは小魚の群れについて泳いでいることが多いのだ。
ちょっと困ることとして、直射日光があたると画面がよく見えない。オプションの遮光フードをつけているが、それでもよく見えない。
300Wのコンパクトな新機種(バッテリー駆動)が2013年に発売されたので、いささか心揺れている。
でも、なんといっても今の乾電池式の手軽さは捨てがたいので、今のままでいっかという感じでもある。
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