カイゼン生活

日常的非常事態サバイバンライフ

便利は王道をゆけ(2)リヤボックスの考察

便利の王道、そのどまんなか。リヤボックスの検討をはじめる。
ホンダのコンセプトモデルであるベンリィ・アドベンチャーを見てみよう。

f:id:cippillo:20130618132703j:plain

コンセプトモデルなので、すべての装備品が入手できるわけではないが、リヤトランクボックスは入手可能である。ただし、ヘプコ&ベッカー社製のこの製品、6万円もする。
これがBMW社のGS系アドベンチャーならば迷う必要はない。6万円のヘプコ&ベッカーも200万以上の車体にしっくりくる。

f:id:cippillo:20130628082858j:plain

しかしベンリィへの装着はこう単純にはいかない。ホンダのコンセプトモデルの場合、ベンリィではありえない非日常を鋭く突くことで存在価値を整合させており、それは「自転車より便利」という基本コンセプトをを裏返してみせる遊び心に裏打ちされている。つまり、妥協がないところにおいて許容されるデザインなのである。
例えていうなら、ユニクロのTシャツに600万円のパネライの腕時計。
本人はズレ感を演出しているつもりでも、周囲から見ると、本人が思っているほどにその意図は伝わらない。お、いい時計ですね、ぐらいのもの。それならば別にパネライでなくても20万の中古ロレックスでいい。580万円の差額は無駄だった。それならユニクロにあと50万円追加してトムフォードのスーツ(ダニエル・クレイグがスパイ映画で着ていたやつだ)を買った方が、600万円のウォッチの価値が生きる。そういうことだ。

さて、ベンリィを活用するプロフェッショナルたちは、どのようなリヤボックスを選択しているのだろうか。
まず浮かぶのはピザ屋の白いボックス。
あの箱は一般でも購入可能であり、ハイマウントストップランプつきや、上開き、下開きなど、何種類かのバリエーションがあり、たいがいはFRP製である。なんとこれも6万円ぐらいする。

次に考えたのが、農家がみかんを入れる樹脂製のオレンジ色のケース。
コンテナといって、サンコー社製が定番である。これも一般でも購入可能。
農業用のものから、お菓子屋さん用、水産業用と、プラスチックの色が異なり、穴の開き方や、底穴の有無など細かな違いがある。まさにプロ御用達である。


かなり惹かれたものの、自分の用途に立ち戻れば、みかんを運ぶわけでも、魚を運ぶわけでもない。
入れるものは、買い出しの日用品と食料、そして野池取材時の撮影機材と釣り具である。
ある程度は雨の進入が防げて、モノの出し入れが容易で、鍵がかけられればベストである。
ゴムチューブひもを使った荷積み練習のために使っていた手持ちのベランダストッカー。これが意外に便利だった。

f:id:cippillo:20130628091114j:plain

アイリス社のRVボックス60は肩幅サイズ。
持ち運びしやすく、椅子やテーブルがわりにもなる堅牢性をもつ。

最初は縦積みにしたら、背中があたってポジションの自由度がなくなり、かなり窮屈。

f:id:cippillo:20130628091117j:plain

横積みに変更したら、すごくよくなった。
幅も肩幅程度なので、スリヌケもぎりぎり問題なし。

f:id:cippillo:20130628091116j:plain
f:id:cippillo:20130628091115j:plain

荷物はこんな感じ。パックロッド2本が入った15リットルのランニングバックパックを
納めることができる。これ以上小さいサイズのボックスだと斜め置きにする必要があり、
ロッドに負担がかかる可能性がある。

f:id:cippillo:20130628091113j:plain

アイリスオーヤマ社のベランダストッカーをいろいろ見ていると、
まさにオートバイ用に作られたモデルがあることを知った。

ボックス下部にゴムひもを通すホールが設けられているので、
蝶番式になったフタをゴムひもをはずさずに開閉できるメリットは大きい。
しかも、密閉パッキングとステンレス製開閉バックル、そしてなんとカギつき!
まさにスーパーカブ御用達といった趣きである。

しかし、RVBOX60よりもかなり容量が小さい。
ふつうのオートバイにはぴったりのサイズであるが、
ベンリィの巨大積載スペースを有効に使えっているとはいえない。

オートバイ用で定番のGIVIブランドでは、かつて45リットルを愛用していた。
フルフェイスヘルメットが2つ入る容量である。
最低限、この45リットルは死守したい。RVボックス60も45リットルには届いていない。

幅は60センチ以下で、奥行きは背中が当たらない程度(40センチ以内)、
高さはできるだけ高い方がいい。
できれば密閉性があり、開閉バックルがついていれば言うことなし。

探してみると、あった! あったのである。

容量は怒濤の70リットル!!
もともと、ポリ灯油容器を2つを納めることを想定して設計されたストッカーなので、匂い漏れ防止のため密閉パッキンとバックルもついており、石油高のおかげか、親切にシリンダー錠を通す穴まで設けてくれている。
幅はRVBOX60よりも6センチも小さい54センチ。

しかもカラーラインナップに、ブルーとワインレッドがある。
茶色のバイクにワインレッドのボックス。
その美しさを想像し陶然となった。

しかしワインレッドは完売であった。

やむなくブルーを購入。
使えなかったとしても、本来のベランダストッカーとして使うつもりで、
3個まとめ買いした。

1つ2000円だし、切った貼ったしてみて、だめならベランダで使えばいい。
これぞ便利の王道ではないか。

次回は装着&実走テスト。