カイゼン生活

日常的非常事態サバイバンライフ

みちのくの山深い工房で研ぎ澄まされてきた道具。フライロッド「カンパネラ」

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無駄な力を抜いていく。美しく。美しくは難しい。
ランニングでもスイミングでも、まず競技志向の強度の高い鍛錬を積み、その中から自分の体幹を磨きあげていったあとに、やっと美しさが出てくるように思う。ランニングでいうと、やはり学生のころに競技をやっていた人の走りは美しい。力が抜けている。フォームができている。

キャスティングだけの競技大会があるほどフライフィッシングの世界ではキャスト性が重視される。これまではより遠くに飛ばそうと海外製の高番手ロッドを使っていた。
G.LOOMIS(ジー・ルーミス)。もはや釣り道具というより「飛び道具」と形容されるロッド。装飾性も皆無。無骨なまでの素材むきだし感。新品で買えば10万もする。
このロッド、飛ぶには飛ぶが、とにかく体に負担がかかる。反発力がもろに腕に来る。何十回も振っていると、もう修行以外の何ものでもない。
魚がかかったときも、塩焼きサイズぐらいだと、こっちにすっとんでくる。やりとりをするふくよかさみたいなものは皆無。やはり飛び道具である。
いずれは最新機種を新品で、と思っていたが、歳を経て考えに変化が出てきた。

美しく、たおやかなフライフィッシング
無駄な力を抜く。
生き物のようにほどけていくループ。
ラインをコントロールすること、魚とやりとりすることが一体となったフライ釣り。
そんなイメージで考えたときに、ふと、日本製のロッドこそ、ぴったりなのではないかと思った。
どうせなら、東北地方の工房が作ったものを。

そしてもうひとつ。道具をスマートに機動的にパッキングすることにもこだわりたい。通常のロッドは2本継ぎ、最近では4本継ぎも認知されてきた。しかし2本継ぎは長すぎてふつうのロッドケースに入らない。4本継ぎはリールと仕掛をつけたままパッキングすると、仕掛がごちゃごちゃになって、いざ釣り開始というときに手間取る。
そこで3本継ぎという、ちょっと特殊な設定の竿を探した。
ぴったりの竿が見つかった。みちのくの山の中で作られた3本継ぎのロッド。
その名もカンパネラである。
盛岡に取り扱い店舗があったので、現地に行って実物を見て買って帰った。帰りがけに釣りをしたのはいうまでもない。