プロっぽさが肝心である。
仕事で使う機材なので本来はプロでなければならないのだろうが、腕前としては家庭用機材でじゅうぶんなレベル。自分の腕がないだけ、せめて機材だけでもプロっぽくなければ、業務として成り立たない。
このモデルの初代のNEX-VG10を最初に買ったときは、標準で付属しているミンクのコートみたいなマイクカバーに射抜かれた。NEX-VG10を実際に使ってみて何に驚いたかというと、じつは静止画の撮影性能の高さだったりする。連写性能も高く、レンズも秀逸なので、よく一眼レフの替わりに持ち運んだ。用途の90%以上は静止画撮影であった。
ただ、起動と、ビデオ→スチルへの切り替えが遅いのが不満だった。ズバッと直線的な動きでズームインできるマニュアルズームは悪くなかったが、風景や静物などの動画撮影時にはゆっくりとしたスムーズなズームができない問題もあった。
3世代前となったNEX-VG10の欠点を挙げ連ねたが、ずばり、発売されたNEX-VG30はこれらの欠点がかなりのレベルできちんと解決されていた。
標準付属のレンズは18-200mm F3.5-6.3のズームレンズ。VG10はシルバーだったが、ブラックになりよりプロっぽさアップ。
マニュアルズームとサーボズームの切り替えが追加された。サーボは3段階のスピード切り替え可能。これでじわっとしたスムーズなズームが可能となった。一方でマニュアルでスピーディーで躍動感のあるズームもできる。
グリップ部の比較。下がVG30で、掌で包み込むようなもっこりした形状になり、材質も手にしっとりなじむレザー調に変更となった。
また静止画シャッターボタンしかないVG10に対し、デジタルズームボタンやフォーカス時の確認用の拡大表示ボタン、動画録画ボタンも追加。低く構えての動画撮影もやりやすくなった。ただ、デジタルズームボタンは知らないうちに触ってしまうことが多く、改善してほしい点である。
カメラ下部を見ると、操作系ボタンが3つ増設されているのが分かる。
さて、なんでこんなにボタンが増えているかというと、VG10とVG30の大きな違いとして、液晶画面がタッチパネル化されたことによる。
タッチパネルは反応が悪く、使いにくく、はっきりいってこのレベルなら不要である。
タッチパネルでしか細かい設定ができなかったとしたら相当なストレスになりそうなところであるが、それはそれ、ちゃんとメカニカルボタンをいっぱい増設してくれているので問題はない。
静止画(動画)の画質については、VG10でも大口径レンズを入れた一眼レフとそれほど遜色ないレベルにあったが、VG30で中間調の表現がより自然さを増しており、薄もやに霞む山桜などの微妙な状況がイメージどおりに撮影できることに感銘を受けた。ハイビジョンにする意味がない派手な演出のカメラが多い中、これぞハイビジョンの意味が出てくるカメラである。
下の動画はネット環境用のものなので、この機材のもつ圧倒的な画質を確認することはできないが、色調の表現力については伝わると思う。知らない子どもに前から後ろから尻をぐんぐん押されてしまい、ブレブレになっているので、気持ちわるくならないようにご注意を。
静止画の作例。前前モデルVG10とEOS5D+EL28-300Lとの比較。
上が一眼レフ。下がNEX-VG10。
驚きの連射性能(機材はVG10)
これって、ほとんど一眼レフ?
ミラーアップっぽい音ばかりか、手に伝わる振動まである。下の動画で雰囲気が伝わると思う。
作例追加(2013年4月撮影)
空気感をよくとらえている。
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