実用自転車の寝かせ方

五月晴れである。
半年ぐらい屋内駐輪場に寝かせておいたナショナル社製の実用自転車「レギュラー」号のすす払いを行う。

雨ざらしはよくないが、風通しがよく通年、温度変化の小さい屋内駐輪場は、ワインと同じく実用自転車を長期熟成させるのにもってこいの場所である。

すす払いのついでに、後ろの荷台延長用の金網をはずした。
実用自転車のくせに、純正の荷台がとにかく小さい。とはいっても、実用自転車の美しさをスポイルするわけにはいかないので、はずすことにした。
もう実用性は完全にあきらめて、この自転車を出すときはリュック必携である。

いい感じで経年変化を加えることができたが、メッキパーツや駆動部分を過度に腐食させてはならない。
高価だが洗浄効果と保護効果のあるプレクサスを、ふんだんに使って、やさしく拭く。
磨こうとすると、もろくなった塗装やメッキが剥がれるので、撫でるように拭く。
プレクサスが栄養のように表面に染みこんでいく。
こんなところにもエンブレムのプレートが。
ママチャリが生まれる前、自転車はとても高級なものだった。

デュラエースのクランクもカッコいいが、この無骨なクランクもカッコいい。

これが往年の自転車が高級品であった証！
フロントフェンダーにあいた意味ありげな２つの穴。

この穴にもともと何がついていたかというと、これは別稿で。

プレクサス(Plexus) クリーナーポリッシュ PL368[HTRC 2.1]