カイゼン生活

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欠点のない鍵の束(NITE-IZE(ナイトアイズ)「エスビナーキーラック」)

【更新履歴】

  • ロングタームインプレッション(270日)を追加
  • 初出 2013年9月22日

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使って270日。まずこれを使わない日はない。
最初にタイトルと異なることを言わねばならない。欠点が3つあった。
リングと鍵をつなぐクリップが、たまにはずれるのだ。これは困る。
ぽろっとはずれた鍵が側溝の蓋の穴に落ちたら、泣くに泣けない。
原因がよく分からない。ポケットの中でがちゃがちゃもまれているうちに、はずれることがあるようだ。しかし頻度としては3ヶ月に一度ぐらい。さいきんはポケットから出すときに、ぽろっといくかもしれないという意識を頭の片隅に置くようになったせいか、やや落ち着いている。


2つ目。
同じく各クリップがからむことがある。もともと絡まない絶妙な寸法で作られているだけに、絡んだときは、ちょっとやそっとでは直らない。どうして絡むのかこれも原因不明。人工的に再現しようとしてもできない。やはりポケットの中でもみくちゃになっているうちに、何か奇跡的なことが生じているのだろう。頻度は一ヶ月に一度ぐらいか。こうなると一度、はずしてから付け直すしかない。たいした手間ではないが。
先日、娘にやらしてみたら、するっと直した。僕の頭が悪いだけかもしれない。


3つ目。メインクリップをズボンのベルトループに通すと、はずすときにフックの切れ込みが引っかかって、なかなかはずれないときがある。
これはカラビナタイプのクリップなら生じない構造的な問題である。しかしプレート状のフックはカッコいいので許す。
(2014年6月28日)


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長年使っていたホームセンターで調達したキーリング


オートバイに乗りはじめた学生のころからだから、もう20年以上、ずっと使ってきたキーリング。鍵の束。
ファッションではなく実用としてホームセンターで買ったものを使っていたが、当時はじゃらじゃら鍵を腰からぶら下げることがファッション化していなかったのか、けっこうめずらしがられた記憶がある。オートバイを複数台持っていたこともあるが、とにかく鍵の数が多かったので僕にとっては必須、必然の道具だった。
鍵も数が増えるとけっこうな重量になる。何より耐久性、堅牢性を重視。
ホームセンターで吟味をかさね、20年間で壊れて買い替えたのは一度だけ。
壊れた部分はカラビナ開閉の内部バネの破損。


これほど長く生活をともにしてきた道具というのは、そうそう簡単に他のものに置きかえられるものではない。替えたいと思ったこともなかった。
それが2013年春、アウトドアショップのレジ前で見かけた商品にちょっと心ひかれた。
そのときは買わずに立ち去った。長年慣れ親しんだシステムを変えることは、ほぼ9割がた成功しない。
前システムを上まわる利点があったとしても、それを上まわる耐えがたい欠点が必ず伴い、結果、元のシステムにもどすことになる。時間の淘汰を受けた道具というのは、そういうものだ。

しかしアウトドアショップで見た新しいキー・ストレージシステムは、そのデザイン性があまりに素晴らしく心に残った。けっきょく再度、店を訪れ、だめもと、というつもりで導入を決めた。

NITE-IZE(ナイトアイズ)ブランドの「エスビナーキーラック」

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導入後、三ヶ月。
前システムを上まわる点は、見て楽しい、さわって楽しい質感に加え、以下の3点。

1、以前のシステムでは、小さいリングがポケットの中でいつのまにかはずれてしまったり、最悪の場合はポケットの内布のほつれに絡まってとれなくなったりしていたのが、構造的にそういったことが起こりにくいこと。

2、以前のシステムでは、鍵同士がからまって知恵の輪のような状態になることが頻発していたが、エスビナーキーラックは、スナップをつなげるプレート側の穴の形状が絶妙に計算されており、また、スナップ自体の可動方向が二次元的に限定されるため、からまることがほとんどなくなった。

3、キーリングに付けている乗り物のキーはすべてスペアキー。これらのキーはメインキーを忘れてしまった場合などの状況でしか使わない。特にオートバイの場合など、じゃらじゃらと重量のある鍵束ごと使うと車体を痛めるほか、他のキーの脱落や紛失のリスクがある。かといってリングをはずしたり、つけたりするのが面倒くさい。(30秒もあればできることなのだろうが、なぜか面倒くさがってしまう) 機能上は日常的な付けはずしを想定していない構造なので、面倒くさいという以上に、機能外のことをやりたくないという心理抵抗のせいかもしれない。
一方、一つ一つのキーに対してカラビナ構造をもっているエスビナーキーラックは、ひとつだけ取りはずして使うのが快適である。


さて、最後にずっと気にしていた欠点。
驚いたことに、そして最大の美点として、前システムと比べて劣る点がなかった。
前システムで構造上、唯一の破損原因となったカラビナ開閉のバネ部分にしても、エスビナーキーラックはスプリングを用いないシンプルな構造であるため、耐久性においても期待が持てそうである。

世界はごくたまに、完璧に近いものを生み出す。


NITE-IZE(ナイトアイズ) エスビナー キーラックスチール  KRS-03-11

NITE-IZE(ナイトアイズ) エスビナー キーラックスチール KRS-03-11


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オフィシャルサイト(日本代理店)
http://www.niteizejapan.com/niteize.html