カイゼン生活

日常的非常事態サバイバンライフ

堅牢な冒険スタイルのトップケース(GIVI社製TREKKER OUTBACK)

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GIVI社フラッグシップのアルミケース。

樹脂製が多いトップケースの中で、精悍さが際立つ金属製のオートバイ用トップケースである。
私のオートバイはミニバイクだが、撮影機材を持って走ることが多いので、万が一転倒しても機材は守りたいと思っていたし、ハイエースに艦載しての運用を行っている際に、まるっこい樹脂ケースと違ってオートバイからはずした場合も座りがよく、フラットな天面はすわったり、物をかさねたりできて、運用上、かなり有利に思われた。
42リットルタイプと58リットルの大容量タイプがあるが、42リットルを導入。

導入してみたところ、上述の内容についてほぼ予想通りの結果が得られた。
さらにオートバイへの積載状態においても天面はネットなどをかけられるフックが豊富についているので、入りきらなかったバッグを固定したり、停車時にグローブなどをちょっと置いておいたりするのに便利。

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従来のGIVI製品のキーとは異なる新型セキュリティキー。

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従来のモノロック、モノキーケースのキーと互換性のない少し大ぶりのキーに変更されていたので、ちょっと面食らった。モノロックのトップケースも持っているので、キーシリンダーセットを購入して二つのケースのキーを一本化しようと考えていたのだが目論見がはずれた。
GIVIによればセキュリティ性を高めたキーとのことだが、回した感じも重く渋いし、キー自体も大きくて重いし、正直、前の赤いキーの方が好き。しかもたった1本のスペアキーは樹脂の持ち手がなくしょぼい。これだけ高価なケースなのだからオリジナルキーを3本か、せめてスペアキー2本は入れてほしいところ。
従来のキーシリンダーとの互換性がないため、心配性でどうしてもスペアキーを確保したいのであれば、セキュリティキー専用のキーシリンダーセットを別途購入するという方法もある。

 

ミニバイクへの取り付けには汎用モノキーベースが必要。

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ミニバイクにGIVI社製品を使う場合、通常は軽量ローコストな「モノロック」シリーズを使う人がほとんどだが、TREKKER OUTBACKは大型車を前提とした専用ステーとベースによって取り付ける「モノキー」シリーズで、モノロックのベースとの互換性はまったくない。
モノロックシリーズはケースを買うと汎用ベース(上写真の右)がついてくるが、モノキーシリーズはケースのみでベースは付属しない。
かつてはモノキー用の汎用ベース(上写真の左)も国内販売されていたようなのだが、現在は安全性の問題からか国内の正規販売はなされていない。現在、入手するためにはネットオークションか、ユーロダイレクトなどの輸入販売店を利用するしかない。私はオークションと、ユーロダイレクトの両方でひとつずつ買ったが、オークションでは毎回プレミアがついて1万円以上に競り値が上がっていた。一方、ユーロダイレクトの方は8千円ほどで新品が買えるが2ヶ月ほどの納期が必要だった。
モノロックの汎用ベースはアマゾンで2千円ほどで買えるのに・・と思いたくなるが、手にして分かったのは、モノキーの汎用ベースはまったくの別物。
比較写真でも分かるように大きさも違えばフックの形状も違う。持った感じがモノキーの方は意外に重い。ミニバイクの貧弱なステーにはこれだけでちょっと負担かなあと思う。
一方、全体的に堅牢感があり、エッジが落とされ角張った形状のモノキー汎用ベースは、ベースだけの状態でもけっこうかっこいい。取り付けネジも、モノロックはシルバーだがモノキーに付属されてくるものはブラックに塗装されている。

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使用2ヶ月後の印象。

ベンリィ110とKSR110PROの二台にモノキーベースを取り付け、ベンリィは2ヶ月、KSRは1ヶ月の運用を行なった。
この時点で思ったのは、ベンリィのような貨物運搬に特化した特殊オートバイは別として、通常のミニバイクには重すぎ!
前述したようにベース単体でもモノロックに比べてモノキー用はズシッとくるのに加え、TREKKER OUTBACKは小さい42リットルタイプでも6kg(!)もの重量がある。
ベースとケースを合わせれば、同容量のモノロックタイプと比べて倍以上の重さになる。カラ荷ならともかく、重い撮影機材を入れたらシートステーごと金属疲労で折れてしまいそうだ。
あと、取り外したり、クルマに積んだり、置いたりするのに、空荷で6kgという重量はちょっと手軽とはいいがたい。苦痛というほどではないが、モノロックケースの「軽っ」という感じも捨てがたいなあと思うようになった。
当初考えていた機能的メリットと、重量や手軽さ、コスト、破損リスクなどのデメリットを比較すると、正直、「うーん」という感じ。
機能を越えるカッコよさが得られたかというと、個人的趣味ではなかなか気に入ってはいるが、一般的に見ればこれもちょっと疑問だろう。
果たしてわざわざTREKKER OUTBACKをミニバイクにつけるだけの価値があったのか、と言われれば、「うーん・・」。個人的には好きなんだけど、人に勧められるかというと・・。
むしろモノロックシリーズの低コスト・ハイパフォーマンスぶりは素晴らしすぎるということを逆に強く印象づけられた。
ベンリィ110とKSR110PROへの取り付けや、今後の運用レポートは各車のページで行います。

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