カイゼン生活

日常的非常事態サバイバンライフ

機動性とTPOで変幻自在なカメラストラップ(Peak Design)

2015年5月に、PEAK DESIGNブランドの製品の入門アイテムといえる「スライド」を初導入。
以来、2年余にわたって追加購入をまじえながら使用してきて、一生付き合える他社追随不可能な半世紀商品になってほしいと願うような相棒になった。

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手持ち撮影で手ブレを抑える究極の保持性。

スライドには幅広でしっかりしたコシのあるストラップの両端にPEAK DESIGNのアイデンティティーといえるワンタッチ着脱可能なアンカーリンクが付く。
ワンタッチ着脱の用途・利便性については後述するが、「スライド」の名となったスライド機構は、手持ち撮影主体で手ブレを抑える究極の方法といえる。
仕組みはこうだ。アンカーリンクのやや上方に二つの金属製リングがつく。このリングは指をかけやすい形状になっており、上に引き上げると同時にベルトの固定が解除され長くしたり短くしたりが簡単にできる。

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上がロック状態、下は解除。下のリングの内側に目をこらすと小さなくぼみがあるのが分かる。このくぼみと黒い樹脂パーツの突起が嵌合して、ロック状態が自然に解除されることを防止している。ロックがあるのは下方向にリングを倒したときのみでクリック感がある。上側にはロックはない。
手持ちスタイルが主の使い方においては、レンズを支える左手とカメラグリップを持つ右手、ファインダーに押しつけた額と三点支持で手ブレを抑えることが多いが、ストラップをぎりぎり短い状態にしておけば、カメラを構えたときに自然とファインダーが額に押しつけられ、高い保持性を保てる。これはストラップをたすき掛けにしたとき、もっとも威力を発揮する。
一方でこのポジションを実現できるほどにストラップを短かくすると、首からカメラをはずすのが大変だ。この悩みを即座に快適に解決してくれるのがスライドシステムというわけである。
これはファインダーではなく液晶モニターを見て撮影する人にとっても、首からかけた状態でカメラを構えた最適の位置にストラップ長をスライドさせることにより、首と手の三点支持での保持を可能にしてくれるだろう。
なお私が使っている二年のあいだにマイナーチェンジが行われ、細部のつくりにカイゼンが見られたほか、ブルーとブラウンのベルトに革を組み合わせた「サミットエディション」も追加発売された。

PeakDesign スライド SL-2

PeakDesign スライド SL-2

PeakDesign スライドサミットエディション タラック(ネイビー) SL-T-2

PeakDesign スライドサミットエディション タラック(ネイビー) SL-T-2

動画撮影でも威力を発揮。

ストラップをピンと張った状態にすることでカメラを安定させる方法は、動画の手持ち撮影でこそ威力を発揮する。
首だけでなくストラップを腰に固定すればローアングルで手ブレを抑えた撮影が可能になる。いわば自分の体自体を三脚として利用するのである。
このとき、より長さの調整幅が大きい「リーシュ」というアイテムが便利この上ない。

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「スライド」のような簡単な長さ調整機能こそないものの、ストラップ両端をカメラの二点に接続する通常の使い方以外に、上の写真のように、カメラ側は一点固定で、アンカーリンクスの先をストラップ自体に固定して「輪っか」をつくれる。この輪っかをズボンのベルトに固定したり、肩まわりぴったりに固定するといった使い方が簡単にできるようになる。
また、リーシュはスライドとちがってかさばらず軽量なので、本格撮影が必要ないときは気軽に使えるストラップとして多用している。

PeakDesign リーシュ カメラストラップ L-2

PeakDesign リーシュ カメラストラップ L-2

さらに軽快に。

ワンタッチで付け替えができるアンカーリンク機能と、コンパクトなオリンパス社製ミラーレス一眼ボディを組み合わせて、状況に応じて「カフ」という、よりコンパクトなアイテムも使っている。

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これは「リーシュ」の全長をものすごく詰め、アンカーリンクの一方を廃し、腕にくぐらせて使う手軽感のあるスタイル。
狭い室内での撮影など、被写体に身構えさせることなくスナップ感のある写真を撮りたい状況では、まさにステルスなみの威力だ。もともとコンパクトなオリンパスボディにパンケーキレンズを装着した状態で「カフ」にスイッチすれば、もう誰もカメラが自分を狙っているなんてことなんて気がつかない。
同じカメラボディでも、大きなレンズと「スライド」の組み合わせにすれば、威圧的なプロ感が出てくる。(下写真)

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さらに同じボディで、利便性の高い中型レンズを使うときは「スライド」ではやや大仰すぎ、携帯性も落ちるため、「リーシュ」に換装することも多いが、もう少し安定性が欲しいと思っていたところ、新しく「スライド・ライト」なるものが発売されたので、さっそく導入してみた。
幅はスライドの4.5cmに対してスライド・ライトは3cm。とてもしっくりきて、うれしくなった。

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PeakDesign スライドライト ブラック SLL-1

PeakDesign スライドライト ブラック SLL-1

パーツはアンカーリンクだけでも補充可能。

スチルカメラだけでなく、ビデオカメラ、あげくには三脚にまで応用を広げている現在、アンカーリンクスの追加購入をした。
私が2015年に使いはじめたころのアンカーリンクのヒモ部は、二年のあいだ酷使しているうちに、ねじれやすくなり擦れが目立つようになってきたが、買い足した新しいアンカーリンクはヒモ部がカイゼンされており、コーティングが施されたコシの強いものとなった。耐久性については今後、使い込んでみないと分からないが、三ヶ月ほど使用した感じでは、ねじれにくく擦れも見られないので、よさそうである。
このアンカーリンクについてもう一点、カイゼンを期待したのが、着脱性。確かにワンタッチといえばワンタッチだが、はめるときとはずすときに、ややストレスを感じる。女性や子どもだとちょっと厳しいかなとも。
耐荷重性と着脱しやすさの両立は難しい課題かもしれないが、今後のカイゼンに期待したい。

Peak Design アンカーリンクス AL-2

Peak Design アンカーリンクス AL-2

PeakDesign マイクロアンカー4パック 4PK-AN-2

PeakDesign マイクロアンカー4パック 4PK-AN-2

究極の機動・速射性。

アンカーリンクの利点をさらに突き詰めたところに「キャプチャープロカメラクリップ」がある。
登山時にはリュックを下ろしてカメラを出すことが億劫でならなかったが、このシステムを導入したことで劇的にカイゼンされた。
これは同社がリリースする映像を見てもらえば一目瞭然なので多くは語る必要はないだろう。
何よりカッコいい。
プレートは、プロプレート、標準プレート、マイクロプレートの三つが出ており、カメラシステムの大きさによって使い分けているが、一眼レフ機であればプロプレートが標準装備されたセット商品でまず間違いはないだろう。マイクロプレートはわずかに軽量だが、クリップできる方向に制限ができるのであまりメリットは感じないが、少しでも小さく軽いものを愛する向きにはよい。

Peak Design キャプチャープロカメラクリップwith PROプレート CP-2

Peak Design キャプチャープロカメラクリップwith PROプレート CP-2