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カイゼン生活

小さなイラっをカイゼンすれば日々是好日。

フジフィルム社製 FinePix X30をX20と比較

仕事の道具

X30とX20を比較する

レトロでコンパクト。それでいて光学ズームつきということで、富士フイルム社のXシリーズを、X10、X20と追いかけてきた。2014年10月に発売されたX30は初のフルモデルチェンジとなった。

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X20は軽量コンパクトでありながら風景写真においては画質も素晴らしく、全国のダムや野池をめぐってのクルマ、自転車、ランニングを駆使した撮影においてのメイン機材となっている。
シングルショットでしっかり構図をつくって撮るという使い方でX20はすでに使用1万枚を越えた。メイン機材だけに新型は当然、鼻息も荒くなるが、一方で気になることもある。
X10からX20の進化は外観を変えない中での地味ながらしっかりした進化だったが、X30は外観を含めてのフルモデルチェンジ。だいたい外観を大きく変えるときは、ろくなことがない、というのが日本のものづくりにおける現況。
命運やいかに。


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エッジ感はUP。重厚感もUP。

X30はそれまでのXシリーズに比べ、全体的に曲面にややエッジをもたせ、レトロ感をよりシャープにした。好みの分かれるところかもしれないが、個人的には、かなりGood。

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サイズはX20より気持ち大きく、厚く、重くなった印象。
ただグリップ感が向上したこともあり、必ずしもネガティブ要素とはいえない。持ったときにしっくりくる重量というものがあるのかもしれない。重さが苦痛ではなく、むしろしっかりした感じで嫌いではない。

ディティールはグレードダウン。

最初の印象は、やはり細部のクオリティを落としてきたな、というものだった。Xシリーズのアイデンティティの重要要素である機械式ダイヤル。
左のX20の掘り込まれた文字がX30では印刷したシール(プレート)になり、ダイヤルサイドの細かなぎざぎざ感も、筋目だけになった。磨き抜かれた印象だったシャッターボタンも少ししょぼくなり・・。操作するときのテンションDOWN↓。

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ダイヤルはまだいいとして、ここはいかんでしょ。
電源のオン・オフとズームを兼ねた操作部品の主役ともいえる鏡筒の金属リング。これは一目瞭然。

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粒粒が、筋筋だけになっている・・。テンションだけでなく操作感も実際にDOWN↓。
しかしこれはX30の鏡筒リングがダブル搭載になったので、つまめるところが狭くなったことが大きいかも。ダブルリングについては実際、便利なのでこれはいたしかたなしとするか。

「レトロ風」のアイデンティティーまでも・・。

レトロ風カメラの内実ともに最大のアイデンティティーだった光学ファインダービューが廃止。これはちょっと衝撃でした。

X20では光学式ながら通電することで透明になる液晶をかませ、ファインダーに各種情報が出てくるという涙ものの工夫を凝らしてきたというのに、X30であっさりやめてしまった。
だから外観上の大きな特徴として、光学ファインダーの窓がない。ファインダーをのぞいても、見えるのは自然な風物ではなく、液晶モニタのギラギラと粒子感のある映像。
うーん、なんてこった・・。

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ところが、ケガの功名というか意外な逆転劇があった。
じつのところX20まではせっかくの光学ファインダーはほとんど使っていなかったのに、X30になってデジタル液晶ファインダーを多用するようになった。
というのもX20の光学ファインダーはズレが大きいのである。きっちり構図しての撮影が主だったため、ファインダーで見える四隅と、実際に撮影される画像の四隅が一致しない。これを避けるため、ファインダーはほぼ飾り状態となっていた。X30のファインダーはデジタルなのでズレがない。手ぶれを抑えるためにもファインダーを使っての撮影方法が復活したのである。めでたしめでたし。

ローアングルとハイアングル撮影が身近に。

これはレトロ風コンデジとして正しいのか否かは分からないが、液晶モニタが大型化し、角度調節ができるようになった。

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これで子どもの運動会での撮影合戦に負けない。(行ったことないけど)
下のような写真を撮っても、線路にひれ伏した異常者がいると通報される心配もない。

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バッテリーはタフに。

バッテリーが大型化。ということは重くなったわけだけど、X10、X20の欠点が劇的にカイゼン
X20までは僕のスタイルのような撮影だと100〜150枚程度で残量インジケーターの目盛りがひとつ減り、そこからは気温が低かったりすると、それこそあっという間に警告表示なり撮影不能になる。この急な残量低下に対処するため、つねに予備バッテリーを携行する必要があった。
X30では300枚ほどの撮影でやっと目盛りが1つ減った。それ以後も急激に残量目盛りが減るということもなく、一泊程度の撮影では予備バッテリーなしでも安心して撮影できた。

USB充電が可能に。一方、充電器はしょぼく。

USBケーブルによる給電に対応した。これは喜ばしいことである。
これに合わせ、バッテリー急速充電器が付属品からはずれ、USBケーブルを接続させるACアダプターのみとなった。

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充電ごとにカメラ側のUSBポートのカバーを開けることになったわけだが、従来の押し込み式から、開閉しやすく耐久性のある蝶番式ドアになった。このへんは抜かりなしである。

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画質の比較

X20が苦手とする状況で撮影してみた。
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上がX30、下がX20。モードはともにシーンセレクトオート。僕が多用しているモードである。

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ハイライトとシャドウのコントラストが強い状況の中、X30の方は手前と奥の山並みを区別できる。X20は真っ黒に。

ボカシ機能の強化

背景ボカシ機能が加わった。シャッターボタンを押すと二回撮影する。どうやらボカして撮ったものと鮮明に撮ったものとを自動で合成しているようだ。

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ダイナミックレンジの性能UP↑

ダイナミックレンジはなんとなく不自然さがいやだったんだけれど、X30になって自然さが出てきた。これは使えそうだ。

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逆光がきつい状況でも、手前の静物が真っ黒につぶれない。


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山の向こうは白くトンでいるが、実際には冬の日暮れで角度の強い西陽。逆光の状況である。なのに中景がつぶれず、かつ、電車の中までくっきり。写真としては気持ち悪いが、性能のすごさが分かる。


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手前は強い影になっている。この状況で遠景の海と空まで判別できるのは素晴らしい。


X30とX20の比較をしてみて

通常の使い方をしているかぎり両者の画質の違いはそれほど大きくはない。便利機能が充実した感があるが、それを求めるならこのカメラを選ぶ必要はない。

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レトロなコンデジという位置付けである以上、今回のX30の進化は正しい方向だったのか疑問に思うところもないではない。両者はまだ併売されているので、カメラという道具のディティールにこだわるなら、あえてX20を選ぶという選択もありそうだ。
とはいっても、最初はちょっと不満だったX30もさまざまなシチュエーションで700枚以上を撮影してみた現時点では、X20よりも気に入っている。
特に風景の空気感の描写については、X20からX30は大幅に向上した。
また、晩秋から冬にかけての角度の浅い陽射しがもたらすコントラストの強い状況にX20ではかなり苦戦したが、X30になりダイナミックレンジがうまく機能してくれているように感じた。
これらX30の美点については今後も長期使用レポートで追っていきたい。


FUJIFILM デジタルカメラ X10 光学4倍 F FX-X10

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